9/29 「欧州先進インフラストラクチャー調査(第2回)」の報告会を開催しました。

9月29日(火)、「欧州先進インフラストラクチャー調査(第2回)」の報告会を鉄鋼会館にて開催し、会場に約60名、オンラインで約100名の方々にご参加頂きました。

JAPIC国土・未来プロジェクト研究会が昨年10月6日~15日に欧州(デンマーク・スウェーデン・ドイツ・オーストリア)で調査したプロジェクトの概要、事業化に至る背景、事業スキームやプロジェクトの効果等を報告しました。今回調査した欧州のインフラ施設は、国土・未来プロジェクト研究会が提言している「津軽海峡トンネル(第二青函トンネル)」、「本州・九州連絡道路」、「四国新幹線」、「観光地駐車場整備(京都、鎌倉、日光等)」、「大都市近郊の鉄道駅前再開発」や「中川運河(名古屋)」等、国内のインフラ整備の必要性と効果、事業手法に関して、アイデアを得られるものばかりです。

中村英夫最高顧問(JAPIC副会長)より、「同研究会は、安全で豊かな国づくりをするために、民間が中心となり、自由な発想で新たなプロジェクト構想を作っていく活動を行っており、その参考として欧州のプロジェクトを実際に見て、そのプロジェクトの成り立ちや効果について考え、議論し、新たな構想づくりに生かすことを目的に本調査を実施した」と挨拶されました。

次に、藤本貴也委員長(パシフィックコンサルタンツ株式会社 特別顧問)が、「欧米では大規模プロジェクトを積極的に取り組んでおり、平成8年以降14年間で投資額が2倍~3倍に増えているという実態を挙げられ、ウィズ/ポストコロナ社会に向けて求められるインフラ整備も念頭に、本調査を今後の提案活動に生かしていきたい」と説明されました。

続いて、林良嗣調査団長(中部大学 持続発展・スマートシティ国際研究センター長)より、欧州のインフラプロジェクトの特徴や特性を踏まえ、これからの日本におけるインフラ整備の必要性が説明されました。

報告会では、7つのテーマに分け、前回2017年に実施した第1回欧州調査の事例も含め、参加者より説明しました。

【テーマ・事例】
1.海峡・山脈横断プロジェクト:オーレスン・リンク、渡り鳥ライン、ゴッダルドベーストンネル
2.観光地における交通政策:ザルツブルク山腹駐車場、ジュネーブ湖底駐車場
3.産業跡地のレクリエーション地区への転換:ライプツィヒ新湖水地方(旧炭鉱跡地開発)
4.ウォーターフロント再開発・都市再生:ハーフェンシティ、シュプレー運河
5.都市対策:ライプツィヒ市、カールスルーエモデル
6.都市開発:マルメ、オアスタッド、デッサウ-ロスラウ市
7.鉄道駅拠点整備・再開発:シュツットガルト21、ベルリン中央駅、ハンブルグ中央駅

最後に、リモートで参加した進藤孝生JAPIC会長が、「欧州は政治的にも経済的にも苦労しているという固定概念があったが、行政のリーダーシップの下で多くのプロジェクトが具体的に進められていることに感銘を受け、欧州型の民主主義が十分機能していることを感じた。日本でも同じような問題・ニーズが数多くあるが、コロナ後は内需主導、財政政策で経済を活性化する動きが出てくると考えられるので、JAPICは、「安全(国土強靭化)の確保」、「快適性の追求」、「社会活力の増進」の3分類で具体的なプロジェクト・メニューを整理することが重要と考え、活動を進めていく」と説かれました。

国土・未来プロジェクト研究会では、今回の調査内容を参考にし、具体的なプロジェクトの整理を図りながら、プロジェクトの具現化に向けて引き続き活動を進めて参ります。

【報告会の様子】

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【現地視察状況】

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■シュプレー運河 ホルツマルクト
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■ザルツブルク山腹駐車場

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■ライプツィヒ コスプーデナー湖
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■シュツットガルト21