1/5 JAPIC 2024年 進藤会長年頭挨拶

初めに今回の能登半島地震によりお亡くなりになられた皆様のご冥福を心よりお祈り致しますと共に、被災された方々にお見舞いを申し上げます。また復旧に向けて日夜ご尽力しておられる関係各位に深甚なる敬意を表する次第です。

昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が漸く収束し、景気の回復が期待され始めましたが、米・中対立の継続、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、イスラエルによるガザ侵攻の勃発等、不安定な国際情勢に加え、インフレの長期化等による世界経済の下振れ、記録的な猛暑、頻発する山火事や洪水等の自然災害により、世界は極めて不透明なまま推移しました。

わが国においても個人消費やインバウンドの回復によって、次第に経済社会活動は正常化してきたものの、海外経済の減速、原燃料価格の高騰に伴う物価高、深刻化する人手不足等により、景気回復の足取りは緩やかなものに留まりました。

このように取り巻く環境は大変厳しい一年ではありましたが、私どもは、国土造り、防災、モビリティネットワーク、環境・エネルギー、地方創生等に関する提言を検討・公表するとともに、シンポジウムや講演会を開催する等、活発に活動を展開することが出来ました。

これもひとえに、会員や関係者の皆様方の深いご理解と強力なご支援の賜物であり、改めて深く感謝申し上げます。

さて世界の将来を見通しますと、混迷の度が深まる一方で、コロナ禍後の新たな時代の社会経済づくりに向けて、各国産業界や企業が既に熾烈な生き残り競争に凌ぎを削っており、わが国も、この激しい潮流に乗り遅れることなく、いち早く産業構造の転換や新たなビジネスモデルの構築に力を注いでいく必要があります。この難局を乗り切る最大の鍵は、DX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)であり、国も企業もAI、IOT、ロボット、自動運転といった最新のテクノロジーや風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの活用を如何に迅速に取り込んでいけるのかが強く問われています。

とりわけわが国は、為替の変動、エネルギーや食糧供給の不安定性、地震や台風による激甚災害の発生といった様々なリスクに直面しており、これに十分耐え得る強靭性(レジリエンス)を備えておかねばなりません。このような危機認識に立って、私どもJAPICと致しましても、持続的な経済成長を促進し、豊かな国民生活を産み出す基盤となる「安心・安全な国土作り」「企業の国内立地競争力の強化」「地方の活性化」のプロジェクトの実現に向けて積極的に提言を続けていく考えです。特に、交通・物流、防災・減災、水・電力、情報通信、観光・レクリエーションといった、経済活動や国民生活に欠かせないインフラに関して、候補地を念頭に置きながら、具体的なプロジェクトを検討・公表したうえで、全国各地において実現に向けた機運醸成を図ってまいります。本年は、モビリティや土木・建築分野等の最新技術や官・民連携の事業スキームを織り込みながら、地域における複合的なプロジェクト、新たなモビリティ・ネットワークを活用した街づくりのプロジェクト、風力・水力・バイオマス発電や水素を利用したカーボンニュートラルのプロジェクト等の検討に注力していく所存です。

社会・経済がかつてないほど大きく変動し、将来を見通しづらい不確実な時代が長引く中にあっては、国や企業は中長期ビジョンを描き、これに備えておくことが必要です。

これまで私どもJAPICは、業種や業界の異なる会員企業が垣根を超えてお互いに連携しつつ、政・官・学界・NGOの方々と自由闊達に議論するというプラットフォーム機能を活かして活動してまいりました。このため、20年後から30年後の具体的なプロジェクトを検討し続けている私どもJAPICの果すべき役割と責務は益々大きくなるものと存じます。このような認識に立って、微力ではありますが、今後ともインフラ作りを通じて、将来に亘る国の経済安全保障と国民の幸福(Well-being)の構築に貢献してまいる覚悟です。

終わりに、皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げるとともに、倍旧のご理解とご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げて、新年のご挨拶とさせて頂きます。